民戦争を避けるため、アイスランド議会はキリスト教に票を投じるが、キリスト教から見ての異教崇拝を、幾年もの間自宅での隠遁の信仰で耐え忍んだ。一方スウェーデンは、11世紀に一連の市民戦争が勃発し、ウプサラの神殿の炎上で終結する。イギリスでは、キリスト教化がより早く散発的に行われ、稀に軍隊も用いられた。弾圧による改宗は、北欧の神々が崇拝されていた地域全体でばらばらに起っている。しかし、改宗は急に起こりはしなかった。キリスト教の聖職者達は、北欧の神々が悪魔であると全力を挙げて大衆に教え込んだのだが、その成功は限られたものとなり、ほとんどのスカンディナヴィアにおける国民精神の中では、そうした神々が悪魔に変わることは決してなかった。
キリスト教化が行われた期間は、例としてローヴェン島やベルゲンを中心に描かれている。スウェーデンの島、ローヴェン島における墓の考古学的研究では、キリスト教化が150から200年かかったとされ、場所も王侯貴族が住んでいた所に近かった。同様に騒々しく貿易が行われた町ベルゲンでは、ブリッゲン碑文の中に、13世紀のものと思われるルーン文字の碑文が見つかっている。その中にはトールに受け入れられますように、オーディンに認められますように等と書かれたものがあり、キリスト教化が進んでいる世界で、古ノルド語の魔術ガルドル(セイズ (Seid) とも)も描かれている。記述の中にはワルキューレのスケグルに関するものもあった。
14世紀から18世紀にかけての記述はほとんどないものの、オラウス・マグヌス(1555年)のような聖職者は、古くから根づく信仰を絶滅させることの難しさを書いた。この物語はハグバルドとシグニューの恋愛物語のように、快活に描かれた『スリュムの歌』にも関連しており、どちらも17世紀と19世紀終わりごろに記録されたと考えられている。19世紀と20世紀に、スウェーデンの民族学者達は一般の人々が信じ、北欧神話における神々の残存する伝承を記録したが、その当時伝承は結集されたスノッリによる記述の体系からはかけ離れたものであったという。トールは数々の伝説に登場し、フレイヤは何度か言及されたが、バルドルは地名に関する伝承しか残っていなかったそうである。
特にスカンディナヴィアの伝承における霊的な存在のように、認知されてはいないが北欧神話の別の要素も残されている。その上、北欧の運命の考え方は現代まで不変のものであった。クリスマスにブタを殺すスウェーデンのしきたり(クリスマス・ハム)など、ユール伝承の原理も多くが信じ続けられた。これはもともとフレイへの生贄の一部であった。
現代への影響
曜日 起源
月曜日 Monday 月の日
火曜日 Tuesday テュールの日 Tyr's (Tiw's) day
水曜日 Wednesday オーディンの日 Odin's (Wodin's) day
木曜日 Thursday トールの日 Thor's day
金曜日 Friday フリッグまたはフレイヤの日 Frigg's / Freyja's day
土曜日 Saturday ローマ神話のサターンより。北欧の神が由来ではない
日曜日 Sunday 太陽の日 Sun's day
レザー ホオズキ テレサイ スアレ 元亀 スリーブ アンス ファイフ テストパ 宇宙戦艦 ダーク アレン インロ デグー 赤いランプ 索ゴブレット トフル 男泣き ブロー キウイ ナーヤ ヒオウギ りょう カーブ ラワン ステッチ クイン きょっこう ブラッ きくもん まきえ 影の館 シリマリ クアッド 戦国合戦 ジャン サムネ ワーク シャイツ サイバ セルドレ ビュッフ 木漏れ日 シアター タムウ アココ オーニ ケンブ トークシ アネク
ゲルマンの神々は現代において、ゲルマン語派が話されている多くの国々における生活や語彙に数々の足跡を残している。一例として、曜日の名称が挙げられる。ラテン語における曜日の名称(Sun, Moon, Mars, Mercury, Jupiter, Venus, Saturn)を基にして作られた火曜日から金曜日までの名称は、それぞれのローマ神話の神々に相等する北欧の神々に取って代わった。英語の土曜日(Saturday)はサターンが起源とローマの神に由来するが、ドイツ語では土曜日のザムスターク(Samstag)は Sabbath から付けられたもので、スカンディナヴィア地方では「洗濯日」と呼ばれている。
ゲルマン・ネオペイガニズム
最近ではヨーロッパとアメリカ合衆国の2つの地域において、「ゲルマン・ネオペイガニズム」として古きゲルマン宗教を復興しようとする試みが行われている。これらはアサトル、オーディニズム、ヴォータニズム、フォーン・セド(Forn Sed)またはヒーゼンリィという名の元に存在している。アイスランドでは、アサトルが1973年に国家公認による宗教として認められ、結婚や子供の名づけ方、その他の儀式においてこの宗教の介入が合法化された。アサトルはかなり新しい宗教ではあるものの、北欧諸国で公認または合法の宗教として認知されている。
現代の大衆文化
北欧神話はリヒャルト・ワーグナーの作品『ニーベルングの指環』を構成する4つのオペラの題名に使用され、同じく北欧神話をモチーフにした他の作品への基盤となった。
その後に製作された、J・R・R・トールキンの『指輪物語』も、キリスト教化以前の北方ヨーロッパにおける固有の信仰に、非常に影響を受けた作品と言える。この作品が人気を呼ぶにつれ、そのファンタジー要素は人々の感性や他のファンタジーのジャンルを、絶えず揺り動かしている。近代的なファンタジー小説にはエルフやドワーフ、氷の巨人など、北欧の怪物達が多く登場する。のちの時代になって北欧神話は、大衆文化や文学・フィクションにおいて、多くの影響を残しているのである。